茨城県は全国イワシ漁獲量を26%も占め【日本一】だという事をご存じでしょうか?イワシと言えば、千葉県が有名ですが漁獲高では3番目なのです。
太平洋の北からは寒流が、南からは暖流が流れて茨城の沖合いで合流し混じり合うのです。茨城の沿岸は190kmもあり、暖流に乗って来たイワシは沖合で産卵しシラスになり、半年もすれば成魚となる様です。当然、その沖合には稚魚生育場が広がり捕食する各種の大小の魚やイカなどが集まって来る豊かな漁場となるわけです。茨城沿岸には約13もの漁港が存在し、魚類は常磐物として魚介類を味わう事が出来ます。最近、茨城の沖合で獲れたシラスをブランド化し【常陸乃国シラス】で有名です。
そう魚介と魚貝とい言葉が有りますね。魚介は甲殻類も入るタコ、カニ、イカも含み総称となる訳です。昔から、茨城ではイワシ文化が有り、料理として食卓に良く並びました。時期には毎日の様に鰯を食べさせられ食傷気味になるのです。イワシの子シラス、めざし、煮つけ、卯の花漬け、つみれ団子、等々切りが有りません。さらに漬物にも入れていた様な気がします。年老いてからは身体を考えて【煮干の酢漬け】を毎朝食べています。老人にはカルシュウム、ビタミンB2が豊富で脳神経の発育や機能を高めると言われ、中性脂肪や内臓脂肪を減らすそうです。【鰯の頭を信ずれば通ずる】と思いながら食べています。
イワシは漢字で【鰯】と書きます。それは水から上げると直ぐに弱ってしまう事から漢字は弱いが入った様です。智慧者は居るもので、その弱いイワシを年中新鮮に食べられる様に開発した会社が茨城・神栖市にあるそうです。
昔は、節分の時には、豆の殻にイワシの頭を差してヒイラギを添えて玄関に差して置くのが常でした。子供頃、祖父母に『なぜか?』と聞いた事があります。返事は『昔からそうやっている!』と一蹴されました。日常生活にイワシがしっかり入り込んでいた様です。それは古く承平年間(930年)の土佐日記にも、【鬼を払う】という記述がある様です。
![]() 那珂湊のお魚市場 |
![]() 鰯の大群 |
![]() 船体からスコップで |
![]() 節分の鰯とヒイラギ |
![]() 鰯の酢ずけ |