今、霞ケ浦湖支流では鯉やフナなどの【のっこみ】が始まっています。それを見ながらの散歩も一風景です。開高健氏の【ビギナーズラック】を思い出しました。内容は確か、彼が素人の釣り人に細かく釣りの何たるかを教え込んで二人でアマゾン川へ出かけて、アブや蚊に刺されながら釣りを行ったのです。素人の釣り人は大魚を釣り上げたが開高氏は一向に釣れなかったと言う内容だったと思います。素人は得てして、最初の時に【予想以上の結果を出す】事があります。
私も釣りで経験をした事が有るのです。マレーシア・アマンダ海のランカウイ島へ四人でトロール釣りを楽しんだ時がありました。私と、もう一人は素人でした。早速、海に舟を出してトロール釣りを始めて間もなく、突然『ギィギィ』とリールがきしみ一m以上のバラクーダ(オニカマス)を釣り上げました。素人のもう一人も、直ぐに同じ物を釣り上げたのです。その後、経験豊かな二人とも大物を釣る事はなかったのです。経験者二人の悔しそうな顔が今でも忘れられません。この様に、なぜか素人は初めての時に良い結果を出すことがあるのです。
また、千葉で働いた時、中山競馬場へ通った時期が有りました。最初の日、先輩に誘われ話を聞きながら馬券を買えば、結構当たりが出て儲けたのです。その後、味を占めて何度か通ったが一向に当りません! あの有名な【おけら街道】を、コッペパンをかじり乍らとぼとぼと歩いた事が忘れられません。その時、自分には賭け事は向かないと思い、以後、賭け事は一切止めました。
最近のニュースで大谷翔平氏の通訳水原一平氏の話には驚きました。彼は日本人として酷過ぎる悪です。多分、野球賭博で大儲けした事が有るのだろうと思います。麻薬の様に悪いと知りながらシンドローム状態になって行ったのでしょう。
思うに、釣りや賭け事などは【偶然性の高い】勝負事です。少し勝ち続けると、何か自分には才能があると思い込むのかもしれません。自分は【理性制御】が可能と錯覚して傷口を大きくし、破滅の道を辿るのだと思うのです。考えれば、胴元が居て長い間続ければ、勝つはずがない事は誰でも分かるのだが脳は既に制御不能になるのでしょうね。