残日録

ブルー・カーボン 

以前、北海道・襟裳岬から海岸添いの様似、浦河、新冠、日高と自家用車で走った事が有ります。道路下の海岸には大きな丸い石がゴロゴロと敷き詰められて昆布を乾燥する場所になっていたのです。それは延々と続き壮観な風景を創っていました。北海道には利尻や羅臼の様に昆布の取れる場所が他にも沢山あります。

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海の森ブルーカーボン

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鉄の廃船に群がらる魚

海藻】は炭酸ガス(CO2)を吸収して脱炭素に役立つ為、森林などの緑黄葉の炭酸同化作用に対し、海藻類の光合成を【ブルーカーボン】と呼んで【グリーンカーボン】に対してそう呼ぶ事になったそうです。国は認可法人の取引対象とする話を進めています。
まだ、炭酸ガス吸収量は全体の一%にも満たない様ですが海に面した日本列島は大きな脱炭素の可能性を持っています。これは地球温暖化防止に期待したい処です。
もう30年も前になるでしょうか? 新日本製鐵(株)から出向して来た先輩が居ました。新日鐵に戻り偶然に会った時、今『鉄の枠を海へ沈める会社を立ち上げた』と話していました。海水に溶けだす鉄分が藻を増やすと言うのです。彼が言うに海水を浄化すると同時に昆布を増やし、漁場にもなると熱っぽく力説していた事を良く覚えています。
最近の話では昆布の生育場所に溶鉱炉から出る【スラグ】を海底にバラ撒いて昆布の収穫量が5倍に、ウニは2倍増やしたそうです。今後、この活動を益々活発にして行く様です。
日本には昆布を利用する食文化があります。海藻にはカルシウム・カリウム・ナトリウム・鉄・よう素・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、そのミネラルは体内の消化吸収率が良く約80%が吸収されると言われています。
新日鉄の先輩は、既に退職されているでしょう? が、彼が情熱的に開発の話をしていた事を今でも思い出すのです。

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日高海岸の昆布乾燥ヤード

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昆布乾燥風景

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