残日録

仁・義に思う

この間、ある人と仁・義について話をしていたら、彼は【仁・義なんて古い言葉で死語になったと軽蔑していました。そんなことはないだろう!と、まで言った。が、それ以上で話を止めたのです。どうも、彼は【やくざ】の世界をイメージして悪い言葉だと思っている様でした。

子供の頃、母親からは『仁・義だけは忘れない様に』と教わって来たのです。は、人偏に二と書き、二人の関係を表しています。人、誰しもが持っている人間本来の【】の話なのです。西洋の様な【】とは、また違う感情です。他者に対する思いやり、慈しむ心でしょうか。

は人間の【】と教わりました。法律さえ侵さなければ悪ではないという法治国家の悪しき考え方が、今の日本人に多いのも残念です。江戸時代には忠臣蔵、佐倉惣五郎や石川五右衛門の様に【】を貫いた人達が大勢いたのです。そして、江戸時代には道徳文化が花開き、人間だけでない武士道、茶道、華道、全て人間の道や本分を説いているのです。

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武士道

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茶道

利に走り、仁・義に外れる話には暇がないのも困ったものです。口先だけ仁・義を語り、を追い求める指導者が多過ぎます。

最近のウクライナ侵略などは正に仁・義に外れた指導者の断末魔の様に思えるのです。仁・義の心があれば、あの様な卑怯で非道な事にはならないはずです。

昔、やくざ映画を見て肩を活からしていた人達の温顔が懐かしくなります。山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平氏たちの小説では多くの人が感動するのも【仁・義】を知る人たちの感情と思えます。新渡戸稲造や岡倉天心が外国人達に言いたかったのも日本人の仁・義文化だったはずです。そして、仁・義を知らい人間を軽蔑します。

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フランス映画

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子曰く、仁と義を

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