残日録

固陋と言う言葉

固陋(ころう)】と言う言葉があります。辞書を引くと、『古い習慣や考えを固守して、新しい物を好まない』とあります。年齢を重ねると差こそあれ誰しもこの傾向が有ります。これまでのウクライナ戦争を見ていると、ロシアの【固陋】が頭に浮かびます。

koro1

頑固おやじ

そもそもロシアは新しい国なのです。800年代、ウクライナのキエフ(キーウ)の地に小さな国が出来ました。それは皇帝と農奴の国でした。その頃、ウラル山脈東にはチンギス汗の孫一族がシビル汗、キプチャク汗国を築き、250年以上もロシアを抑え込んだ【タタールの軛】と言われる苦しみの過去が有ります。
ロシア国は16世紀に専制王朝を築いたロマノフ時代、山岳地や平原に居る【黒テン】の毛皮をパリへ高値で売り裁いていました。中でも【ストロガノフ家】などは黒テンの毛皮商人として大儲けして財を築いたのです。独裁者イバン四世の時、ストロガノフ家は『我々がシビル汗を倒しましょうか?』と持ち掛けて来たのです。公国は、『面白そうだ!』と、両方の考えが合致し、特権に武装兵を持つ事と城塞(クレムリ)を持つ特典を与えたのです。
大資本家は盗賊まがいのコサック族や他民族を使い、シビル汗を攻め出すと、意外にあっさりと遊牧民は去ったと言うのです。その時、用いた【火器】が効を奏したと言います。その後、カムチャッカ半島まで進み、そこにはカムチャダール族が住んで居ました。が、50人程のコサック族があっさりと半島を奪い太平洋へ抜ける道が出来たのです。民兵達はヨーロッパから学んだ火器の威力で黒テン、ラッコの毛皮を得、ロシア公国は膨大な国地を得たと言う事になります。ピヨトール大帝も鉄砲が大好きだった様です。
ウクライナ戦争も400年以上前のストロガノフ家まがいの【ワグネル】の様な民兵を雇い、国家として戦争をする極めて希な国です。やがて個人に与えた特権は取り上げ、排除する手法があるのです。過去の手法を頑なに実施しているとしか思えません。正に【頑迷固陋】と言う事です。まだまだ歴史の浅い【オロシヤ国】は、火器の威力を信ずる残虐で猛々しい野生を持っていると思わなければなりません。

koro2

火縄銃

-残日録

© 2024 シニア・プレイランド 土浦 Powered by AFFINGER5