残日録

宗教とは?

今年も盂蘭盆会が済み、先祖の供養も無事終わりました。又、戦後80年を迎え【平和である事】を大変有難いと思います。世界を観れば、国と国を挟む戦争が絶えません。我々の年代は【第二次世界大戦】という悲惨な思いが脳に焼き付いて『戦争は絶対に避けなければならない!』と思うのです。しかし世界を視れば日本だけが外野論を語る訳には行かないのが現実です。今も激しく戦うイスラエル、パレスチナ、他の中東諸国の争いは一体何なのかと不思議に思ってしまいます。
歴史的に何かあると少し勉強してみれば、それらは【宗教戦争】である事が解ります。ユダヤ教を根っことする一神教は経典の解釈相違でキリスト教、イスラム教に分かれて古く誕生したのです。同根の宗教はなぜいがみ合うのでしょう。それは、それぞれの国が宗教を【国教】としている処に問題がある様です。イスラエルの旧市街地にはユダヤ教の【嘆きに壁】、キリスト教の【聖墳墓教会】、イスラム教の【岩のドーム】の聖地が半径500mの中に存在するというのです。また、キリストが十字架を背負い歩いた【ゴルゴタの丘】も近くにあると言います。
絶対神】を国教とする国では宗教と国家が結び付きアイデンティティや法律にも影響を与えているのです。国家法律は宗教と深く個人を結び付け自由が奪われているのでしょう。インドのヒンドゥー教も似たな様に思うのです。
大和民族は国家を纏める為に【仏教】を取り入れました。もともと仏教を確立したお釈迦様は自己の生・死や煩悩の苦しみから抜け出す為に修業(解脱)をしたのです。これを【小乗仏教】というそうです。その解脱は一般凡人には難しいと、観念的な【大乗仏教】が生まれて中国、朝鮮に渡り、朝鮮から500年代に日本に入って来ました。その後、国内では崇仏派と廃仏派が長い間戦った歴史が有りました。そして崇仏派が勝ち、日本は【大乗仏教国】になりました。しかし元々日本には神様が居り、その神と折り合いを付けなければなりません。『神が仏を守る!』という苦しい理屈に落ち着き神・仏習合となったのです。
ゆえに欧米の宗教とは大きく違います!一神教である神は【絶対】なのです。『神がこの世を創った』と言う事は日本人に理解が出来ません。我々は【相対】の世界に住み、必ず原因が有り結果のある世に居ます。宗教が絶対無二である事は考えならないのです。『地球の周りに太陽が廻っている』と、キリスト教ではこの間まで信じて居たのです。さすがにそれは違うと認めた様です。
日本人の宗教感は個人の内なる問題だと思います。思弁的な理屈よりも先祖からの教えを忠実に護り、それを繋いで行くという文化を大事にして来ました。自由な環境で複数の宗教が共存し、社会の秩序に迷惑を掛けずに自由に宗教が選べる環境なのです。「なぜ生きるのか」「死とは何か」「善とは何か」など根っこの処で向き合う為の考え方だと言えます。老婆が一心不乱に大きな木の下のお地蔵さんを拝んでいます。私は『これが宗教だ』と思うのです。
因みに世界人口75億人の内、キリスト教の人口は22億人、イスラム教16億人と、50%以上が絶対神を信じ】ており、私には人間の創った難解な宗教を理解する事が出来ないのです。

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