1970年代頃、日本が威信を掛けた三つの開発に自分も携わり、今、それらが漸く花開く様に思うのです。一つ目は核磁気共鳴を利用したMRI【断層撮影機】、二つ目は【磁気浮上リニア―モーターカー】、三つ目はトカマク型【核融合装置】でした。まず一つ目の医療用・断層撮影機は英国が開発した技術を日立製作所が国産化に向けてアルミ常電導材料で進めました。その材料を納入して可なりの時間と試行の末に試作機は完成して、大学や医療機関で試験を始めた処、『水素のスピンだけでは骨のリンが検知出来ない』と目的が急に代り、更なる強力な超電導磁場となり、残念ながら開発は終わりました。二つ目はリニアモーターカーの開発でした。JRと日立製作所の共同開発にアルミ材納入社として参加しました。この開発も磁気浮上用一時磁石をアルミ板材で始めましました。が、可なり進んだ処で押出材に変り途中で断念したのです。同じ頃、ドイツも開発を進めて居ました。ドイツ式は車両浮上が3㎝程でしたが、日本JR方式は10㎝も有り【速度と安全性】が非常に高いと云われて居ました。しかし日本は開発に遅れを執り、ドイツは中国へ納入して上海空港から繁華街の浦東まで時速400㎞で走って居ます。日本は開発とトンネル工事に遅れを取り、今、東京―名古屋間を時速500㎞走行の運転が待たれる処です。三つ目は核融合トカマク型装置にアルミ材を納入。アルミは放射能半減期が短い利点があり、開発部材に沢山使用される為に開発に携わりました。核融合装置は重金属の核分裂を利用するのではなく、水素やヘリウムなどの軽い原子を融合させてエネルギーを取り出す装置です。恒星と云われる星は大体が核融合反応で輝いて居ます。この反応が利用出来なれば、夢の様な【人工太陽】が可能となり、世界各国は共同国開発に凌ぎを削る競争をしている処です。核融合の話は1940年頃から始まり開発には永いスパンと技術を必要とし未だに完成を見ていないのです。当時の開発者は『俺が生きている内に完成は観られないだろう!』と言って居た事が印象にあります。当時も開発には100年以上掛かると云われて居ました。開発技術は個人の発想と悩みや失敗から生まれる故に中国の様に開発途中から技術を買い成功したとしても、どこかで問題が発生すると思えるのです。一つの開発には多くの裾野技術から成り立っています。今、世界は半導体分野で開発に凌ぎを削って居ます。我々の時代、日本の半導体は苦しみの真っただ中に悩む技術者を多く眼にしました。今、日本は時代変化に後れを取った形ですが、先輩達のDNEは顕在です。日本人は根気と真面目さが有り技術開発に向いていると思うのです。問題は開発にお金が掛かる為に継続の判断が難しいのです。アルミ材料会社に居たお陰で新しい開発に随分参加させてもらえて、今でもそれぞれの開発を思い出して技術記事やニュースに耳をそば立てています。
![]() 核磁気共鳴断層撮影装置 |
![]() リニア―モーターカー |
![]() トカマク型核融合装置図 |


