残日録

私たちと仏教

今年もお盆がやってきました。今でも日本は仏教国だと思っています。日本へ大乗仏教が伝わり1400年以上が経ちました。その時代と共に仏典の解釈に新しい宗派が生まれ発達して来たのです。しかし、日本人の精神(こころ)や生活観念は長い時間の中で仏教の考えが浸み込んでいる様に思うのです。
子供の頃、隣のおじいさんが夕日に向かって拝んでいる姿を未だに鮮明に記憶に残っています。多分、【西方浄土】を思っての事だろうと思っていました。また、夕食時に家族が食卓を囲み『いだだきます!』と手を合わせて感謝する姿も良い習慣だと思えます。
江戸時代、日本に来た外国人の多くは日本人の精神性を褒め上げています。特にイギリス人イザベラ・バード女史は日本を旅しながら、貧しくとも皆がニコニコ暮らしている事に理解が出来なかったと言います。しかし、帰国時にはその辺が理解出来たとも語っています。
今、若い人達に浄土とは?と、聞いても説明が出来ません。せいぜい『気候が穏やかで花が咲き乱れ、食べ物は豊富で何の苦労もなく過ごせる処』と、説明するのがやっとでしょう。しかし、今の日本では食料も豊かだし、気候も温暖で花も沢山咲いています。ルールを守れば何の不自由もなく過ごせる。これは【浄土】と同じではないかと言う答えになりますね。
東日本の大惨事の時に仏教界は大きな動きをしなかった事に少し不満を持っています。僧界は何かを論じて多くの人達に精神的補佐が出来なかったのかと思っています。日本仏教の良い処は、慈悲,寛容,共存共栄,感謝,利他など暗黙の秩序が出来ています。これなど日本人の誇れる精神的証ではないでしょうか。仏教界はもう少し日頃の知識、経験を生かして世の人々に精神的ウネリがあっても良いのではと思っているのです。是非、【浄土】とは?と、僧界が答えをだし知らしめて欲しいものです。

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牛久大仏

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いただきます!

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東大震災の行列

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イザベラ・バード記

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