2024年度、茨城県の納豆消費量は全国5番目だと言うのです。『水戸と言えば、納豆!』と言わしめる程、水戸納豆は全国の代名詞だったので、ズート一位かと思って居ました。
物の無い子供の頃を思い出します! 12月に入ると自家製の納豆を良く食べさせられました。食糧難の大事な食べ物だったのでしょう。初冬になると、どの家でも自家製納豆を造り出したのです。自家で採れた小粒大豆を藁の床(ツトと言っていた)に入れて,炬燵などで藁床を温めれば、藁の中の納豆菌が大豆にウジャウジャと増殖してヌルヌルと粘りと匂いが出て来るのです。作る時、大豆の中央に藁を5本程折って中心に刺し込み、それを【仲人(なこうど)】と呼んで居ました。中央部にも納豆菌が回る様に考えたのでしょう。誰が付けたのか仲人!面白い呼び名です。出来上がった納豆は、それ程の粘り化は無く【匂い】だけが強烈で旨い食物ではなかった印象が強く有ります。
学校を卒業して初めての就職先は会津喜多方でした。福島会津地方も納豆文化が有り良く朝食に納豆が出て来たのです。茨城では会津の納豆は粒が大きく『馬納豆』と馬鹿にしていたのです。東北地方は納豆消費量が多く、昔から納豆文化が根付いて居た土地柄の様です。
福島・小野町には有名な発酵学者・小泉博士が居て、彼の講演を聞いた事が有ります。納豆は【滋養食】として全てのたんぱく質、ビタミン、亜鉛成分や金属類の入った申し分ない食品だと力説していました。特に亜鉛は人体の必須成分を含み、免疫能を高め、細胞の修復と成長を促し、性ホルモンなどに欠かせない成分であると強調して居た事を思い出します。又、彼は東南アジアなどへ出掛ける時、食べ慣れない物に当たりどうもお腹が可笑しいと思ったら納豆を食べれば回復するとも言っていました。
今、販売されている納豆はプラスチック容器に大豆を入れて【納豆菌】を振りかけ増殖させる為に粘りのある美味しい納豆になりました。旨味成分のイノシン酸、グルタミン酸、有機酸が含まれていると言います。そして納豆の旨味をさらに出す食べ方は、『良くかき混ぜる』事だそうです。美食家の北大路魯山人は424回混ぜる事がベストと言っています?
庶民に最も大事な【価格】は卵と同様の優等生です。年金者には有難い栄養バランスの良い食品だと思います。毎日の様に夕食時は納豆に【酢】を加えて戴いて居ます。我が父親は《納豆焼餅》を旨そうに食べて居た事を思い出します。
![]() 水戸小粒納豆 |


