岸田内閣は国内の裏金、災害、派閥、国防、新興宗教などの政治、経済問題を残しながら約3年間で幕を引きました。次の総裁選には9人も立候補して【裏金問題を含む議員】や恩讐絡みの候補者が討論を重ねて総裁選に入り、ついに9月27日【石破政権が発足】しました。
新総理は『裏金議員が相当数【非公認者】が出るだろう』と言いながら、結局は12人位を除外した程度で新政権は発足し、さらに戦後最短日の解散にも入りました。これまでの主張や論調に少々の矛盾を含みながらも新総理は船出をしたのです。
長い政治生活では、その時の正論があるにせよ変えて良いものと、変えては成らないものが有るはずだと思うのです。言行一致は難しく又,頑なに自分の主張を通す時代でもありません!
政治歴史を見て思い出すのは明治時代、井上薫という政治家が居ました。古い同志が『あんたは偉くなったけど、昔は尊王攘夷、尊王攘夷と言っていたが、今、鹿鳴館をやっている!』と言ったら、『あの時は、ああでなければ駄目だったんだ。もうそれを言うな!』と。また大久保利光も『まあ、まあ、それはもう終わりました。』彼の仲間は『そうか、あれは終わったのか?』と、過去の思調と実践は全く違っているのです。
こんな例もありました。明治政府の天皇は【帝都宣言】をしていません。しかし東京へ都が移ってしまいました。都は京都のはずが、東の京(みやこ)に決まっているのです。東京など考えられない事が突然起こり何となく収まってしまう、日本独特の【融通無碍】というか、マーフー(馬虎)主義が、これまでの日本政治を救って来た事も知るべきでしょう。
政治向きの『融通無碍』や『ほっとけ!』『尻から抜ける!』話など、日本人独特の考えや進め方で無事に、その場を乗り切った歴史があります。この様な一元的価値観でない事が、諸外国から食い物にされずに来たとも言えるでしょう。この様な手法は欧米や中国、韓国では絶対にあり得ません。又、理解も出来ないでしょう。
政治には【自家撞着】はつきものです!また外野は色々と批判をしますが、新石破総理は船出をした訳ですから、現状の世界情勢をしっかりと分析、把握して【外交】を大事にする思潮と智慧を持って行動して欲しいと思うのです。一方、国民は新総理の言動を左見右見(とみこうみ)しながら、まずは、彼の豊富な私見、篤実、思惟を見守っては如何でしょうか。
融通無碍