土浦から125号線を20㎞程成田方面へ行くと霞ケ浦南岸に【江戸崎(稲敷市)】の街があります。今、全国的に【江戸崎南瓜】はブランド化して通常の2倍以上の高値で取引されています。ほくほくとした甘みのある南瓜です。ブランド化するまでに並々ならぬご苦労があったそうです。もともと関東ローム層は南瓜に適した土地柄でした。が、売れない時期が続き南瓜を畑にほったらかして食べた処、これがおいしかった事のヒントになったそうです。これは売れるぞ!と、チームを作り共同でブランド化に努力し価格を下げずに無駄な競争を避けたそうです。
昔、江戸崎一帯は常陸土岐藩(岐阜土岐氏の流れ)が納めていました。【江戸崎城】もあり、交通の便も霞ケ浦を利用して城下町は栄えていたそうです。しかし戦国時代に入り筑波一帯を支配していた【小田軍】に滅ぼされています。
常陸土岐藩に仕えた剣豪・【諸岡一羽斎(いっぱさい)】の話は有名です。塚原卜伝から鹿島新当流を学び、多くの小説家が一羽斎の武勇伝を小説にしています。池波正太郎、藤沢周平、野花山人などの物語があります。私は江戸崎の地名すら知らない頃に藤波周平の【決闘の辻】で興奮した事を覚えています。
しかし時代は過ぎて、江戸崎の街もご多分にもれず昔の賑やかさは無くなりました。ただ歴史ある街には神社・仏閣や老舗なども残っていて静かな良い街だと思っています。成田詣での帰り路、久振りに諸岡一羽斎が【百人切り】をしたという坂道を走って来ました。