残日録

酔(すい)芙蓉の花

盂蘭盆会が過ぎると我が家の庭も百日紅フリルがまばらになり【芙蓉の花】が咲き始めます。10年前頃に小さな苗木の芙蓉は高さ2m以上にも大きくなり晩秋の風景を創ります。会社に勤務していた頃は何の変哲もない庭木と思っていたのです。が、最近では庭を眺める余裕もあり草木の変化を楽しんでいます。中でも【芙蓉】名は知っていましたが、昨年散歩道に酔芙蓉の低木が在ります。『すいふよう』と云う我が家と違う芙蓉を見つけました。漢字では【酔芙蓉】と綴り,どちらも1日花で朝に咲いた花は夕方にはしわしわと萎んで丸くなり散ってしまいます。
【酔(すい)】とは色の変化を『酔っぱらう』と表現した名には『あっぱれ!』です。朝方は真っ白な花が昼過ぎにはピンク色に変化しています。時間の経過で花色が変化する花はいくつも在りますが、これ程見事に変化するのも珍しいと思います。短時間にうつろう姿は中国・京劇変面を見ている様な思いがあります。又、世の中には急に変化する人間がおります。こちらは注意が必要です。

ふよう1

我が家の芙蓉の花

ふよう2

散歩道の酔芙蓉の花

以前、韓国・大邱を訪問した時に【ムクゲ】の街道を走った事が有ります。それは道の両側に見事な花が咲き誇り案内人がムクゲの花は韓国の【国花】だと教わりました。それを思いながらソウルでもプサンでもムクゲの花を沢山観ました。ムクゲの花は芙蓉の花に似て同族かと思うのですが、どうもそれは違う様です。芙蓉は全体に柔らかさが有ります。
晩秋に近づくと風の冷たさ、雲の変化、草木色の変化、日没の変化などサラリーマン時代には感じない思いがしています。毎年の事ながら四季を楽しめる日本人は幸せです。それでも老人には日に日に『影が伸びる様に、寂しさも長くなる』様にも思うのです。

ふよう3

朝8時ごろ

ふよう4

午後2時頃の変化

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