残日録

駅ホームの立食いそば文化

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我孫子駅のやよい軒

この間、久振りに成田詣出の帰りに、常磐線・我孫子駅ホーム【やよい軒】で立食いそばを戴きました。メニューは昔と少々変わっていました。唐揚げ蕎麦なども加わり、店内は奇麗で衛生的になって居たのです。醤油ベースの黒いスープは昔と変わりなく、とても美味しく,懐かしく戴いて来ました。昔は、電車が入線するのを気にしながら【かけそば】を注文して急いで飛び乗ったものでした。時間のある時は、【ちくわ天蕎麦】が定番でした。青のり衣の【ちくわ天】がデンと蕎麦に載り、『主調しているな~!』と思ったものです。
この弥生軒は【山下清画伯】が絵の放浪旅に出た折り、5年間もこの店で働いて居たそうです。その頃の常磐線は蒸気列車が走り、弥生軒はホームで駅弁を販売していたそうです。蒸気機関車はなくなり、電車に代わってから【立食いそば】に変えて行ったそうです。

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山下清画伯

思えば、サラリーマン時代にはいろいろと【立食いそば】を食して来ました。仕事を終えて我家へ急ぎ帰る途中、ホームから何とも言えない蕎麦の美味しそうな匂いが漂って来るのです。匂いを嗅ぎ分けた、脳の臭脳部は唾液を出してくるのです。食べれば、家に帰ってからの夕食が食べられなくなると思い躊躇して帰って来たものです。それは通勤の神田駅【かめや店】や、上野駅【大江戸店】で悩まされました。それぞれの店に特徴があり美味しさが違います。正に、江戸時代の夜泣き蕎麦や立ち食い寿司の文化が庶民の味として【駅ホーム】に引き継がれたのでしょう。
誰もがホームという、短い待ち時間の楽しみとして居たと思うのです。そして空腹の時に食べるソバの味は、どんな高級料理よりも美味しいと思ったものです。
立食い蕎麦のある駅は、長野県や新潟県以北の駅に多く有る様に思います。悩むのは冬の列車旅の時です。駅弁にするか、駅蕎麦にするかと悩んだものでした。北風の吹きさらすホームで食べる立食い蕎麦の味も又、格別なのです。
関西方面に出張で思い出すのは、やれやれと一仕事を終えて空腹の中、名古屋駅・新幹線ホームを途中下車して食べた、【きしめんや蕎麦】の味も忘れられない思い出です。サラリーマンの細(ささ)やかな庶民の味に【幸せ】を噛みしめて居たのです。

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名古屋駅ホームの立ち食いソバ

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やよい軒前で

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