40年以上前になろうか、家族で初めて海外・香港を旅しました。香港はまだイギリスの植民地化にあり1997年に中国へ返還される事になっていました。空港も啓徳空港(カイタック)で林立する黒いビル(ネオンが禁じられていた)の間を静かにランディングした事が記憶に有ります。街中を歩くと、あの赤と黄色を基調にした看板やビルが目立つ活気あるエネルギシュな異国を実感したのです。
その時、驚いた事は建築の足場に【竹】を使用し、細いロープで足場を組み立てて工事者がひょい ひょいと登って行く光景を見たのです。大丈夫かなと気になって見上げた事を良く覚えて居ます。さらに商店街の高い両側ビルの窓からは竹竿を斜めにした洗濯物が満艦飾の光景も視ました。ゴミや花を入れる籠も竹で編んであり正に、香港は竹の文化だと感心させられました。
何と、それが今なお『足場は竹が続いている』事に驚きました。40年前に見た竹の足場はさらに30階もあるビルを張り巡らし組み上げて居るのです。それが今回の火災を大きくし犠牲者を出した一因でもあったとも言われます。どの様な建築法か解りませんが国の定める【建築法】に問題がある事は否めないと思うのです。日本の場合、事故や災害が起きれば反省の上に立ち、直ぐに建築法は改定されて夫々の部門と共有される事になります。
香港(中国)政府は国民の不満が広がらない様に抑え込んでいる様です。が、民意を良く聞いて次に繋げなければ、今後も決して良くならないでしょう。これは中国国内も含め、中国思想の【人治国家】が招く結果でしょう。国際法による【法治国家】にならなければと思うのです。
一方、日本でも今年は火災の多い歳でした。2月は大船渡の山林火災、そして11月には大分・佐賀関の火災も諸条件が悪くて大火になってしまいました。原因は気候変動や火の不始末から起きている様ですが火災は住む地域に大きな影響を与えます。昔から『地震、雷、火事、親爺』と言われるくらい火事は怖いものだと消防組織を創り、地域では防災意識を高めて来ました。どれだけ人間の力で最小限に災害を防げるか普段の防災意識が大事だと思うのです。佐賀関の場合、180棟以上もが強風に煽られながらも犠牲者は1名と日頃の防災意識や近所付き合いが人命被害を少なくしたのでしょう。
これからも想定外の災害はいろいろと起こり得ると思います。が、日頃から国、地域、個人の防災意識が災害を塞ぎ高めて日本独特の安全対策を創り上げて欲しいものです。
今年も残り少なくなりました。香港の様な惨事が起こらない様に気をつけて、新しい新しい年を迎えたいものです。
香港のビル火災


