残日録

コメ騒動 

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土浦の穀倉地

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美味しいお米

昨年秋、霞ケ浦近辺の米作を眺めながら『今年は豊作間違いなし!』、との思いで散歩をして居ました。処が、暮れ頃になるとスーパーにお米が無いと言うのです。心理も働いたのか、確かに米の袋が店から消えているではないですか!そして価格もかなり上がっていました。
燐人は、『トイレットペーパー事件の様に誰かが貯め込んだっぺ!』となる。確かに生産量から思えば、その話は本当だろうと推測が出来る。一儲けしようとする輩が居るのです。
そもそも昔の藩は、お米の【石高】で藩の流通経済を表してお米の豊かさを大事にして来ました。豊臣秀吉の代に商品経済が進み武士よりも商人の方が豊かになって武士や百姓は苦しんだ歴史があります。それでも米作りを続けて来た農民は努力をして反当たりの生産量を上げて来ました。
お米は1株当たり2,000粒以上も実り、パンや麺の原料となる【小麦】と違い、同じ面積では小麦の20~30倍もの出来高になると言われています。従い、お米を主食とする国々の人口は多いのです。食べて行けるからです。昭和45年(1970年)政府は米が取れ過ぎると【減反政策】を始め、それは10年以上も続きました。米作りをする農家は激減し、他の道を選ばなければならなくなりました。『農家では食べて行けない!』と、子供達はサラリーマンや第二・三次産業へと移って行ったのです。田んぼは休耕田となり消えて行きました。消えた田圃を再生する事は非常に難しい様です。我々人間は主食が無ければ生きて行けません。それなのに未だに農業者を【百姓】と見下げている人々が多く居る事も事実です。その言葉が嫌で農家へお嫁に行きたくないと娘さんは家を出て行きました。そもそも【百姓】という語源は『多くの人々』と言う意味です。年寄りだけになってしまった農業人口は【百姓】と言えないのです。
今、百姓と見下げて来た人達はお米がなくなり、声高に大騒ぎをしています。それは勝手な矛盾なる話です。隣人曰く、『少しは【】の有難さが解るんだっぺ!』と。これまで米作りを大事にして来た【茨城の農業者】は自信と誇りを持って良いと思うのです。政府は若い人達が農業で食べて行ける政策を取るべきです。今回の米騒動は、これからの農業問題をいろいろと示唆している事を知るべきでしょう!
今、美味しいご飯を食べられる幸せを噛みしめています。

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土浦の休耕田

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小麦の穂

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